ビラーンの医療と自立を支える会(HANDS)

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続き
2年ぶりの巡回診療(続き)

 咳、胃痛に関しては、フィリピン人の2人の医師、ナプサさんと話し合う機会があり、3人とも同
じ見解だった。若い頃、レイクセブ町のチボリ民族地域の町立クリニックで診察を行っていたピ
ンゴイ医師、マーベルの公立病院に勤めるミハラ女医、ナプサさんの意見では、咳は、気候、
寒暖差の大きさ、窓ガラスも無い高床式の部屋に大家族が隣り合って眠るなどの条件下で結
核が蔓延し、治療は受けていないためというショックなものだった。巡回診療でも結核を疑わせ
る患者はいた。胃痛は、食事量が足りず、空腹時に胃酸が増し胃炎を起こすためだろうとのこ
と。基本には貧困、環境という原因があり、一時的な巡回診療では何も出来ないですね、と言
う私に、ピンゴイ医師は「30%でも0%より良いと考えたらどうか、結核患者数を教えて貰えば
自分達が政府に報告する、政府も結核の蔓延は防ぎたいと考えている」と話してくれた。2人の
医師は、機会があれば巡回診療に参加したいと言ってくれた。

 高血圧など慢性疾患、甲状腺腫、外科的処置が必要なものなど、巡回診療では限界があるが、遠くからトラックに乗って、あるいは徒歩で大勢の患者さんが集まった。一緒に行った歯科医、スタッフの皆さん、ノビシエイトの看護助手コースの学生達など、多くの協力があって無事終える事が出来た。ここにあらためて感謝の意を表したい。HANDSの会員としては、根本的な問題解決に少しでもどう近付けるか、といういつもの課題を持ち帰った。

ただれた足に軟膏を塗る。
雨季に畑の泥の中で作業していて
なった、とのこと。





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